Cherish Local Japan

もっと日本を楽しむために

お箸の置き方

日本での食事で一番活躍する道具と言えば、やはりお箸でしょうか。スプーンやフォークなども欠かせない役割がありますが、日常の食卓で最も登場回数が多いのは箸かと思います。

アジア地域でもお箸は食生活に根付いており、中国の箸は長くて先の尖っていないプラスチック製、韓国は平らな金属製、といった特徴が思い浮かびます。ただし、割りばしはどの地域でも比較的似た形状の印象です。製造元が限られているからか、あるいは使い捨てにするには効率の良い形が自ずと決まってくるからなのか、基本の長さも先端の形も日本で見るものとあまり変わらないようです。

さて、ジャパニーズフードの画像では象徴的にお箸を一緒に使うことも多いのですが、いろいろと見てきた中でお箸を揃えて撮影しないケースがどうも目立ちました。スタイリッシュに見せるために角度をつけるのでしょうか。下の画像のようにクロスさせたものも結構あります。

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(この画像はイメージです)

 

日本以外ではどういうマナーになっているかは詳しくはわかりませんが、お箸は揃えておく、ということを小さいころからうるさく言われているせいか、私たちはこういう置き方はちょっと居心地が悪くなってしまいがちです。日本人が撮影したんじゃないんだろうなぁと余計なことを考えてしまいます。

でも思い起こせば、私が海外に行った時、現地のマナーをちゃんと理解して行動しているかと言えば、全く自信はありません。事前にできるだけ情報を得て、不快にさせないように努力はしますが、わからないことも沢山あり、気づかないだけで結構な失礼をしているのかもしれません。

お箸のマナーなどは、実際の食事でも他人に迷惑をかけるようなこともほとんどないですし、目くじらをたてることではありません。海外から日本に来てくれる方が劇的に増えている昨今、いろいろ話題にのぼることも多いですが、やはり寛容な心でゲストを迎えていくのがベストだと思いました。何か特別な機会があれば、日本では、、というお話をしても良いかと思いますが、まずは楽しい思い出を持ち帰ってもらえればと思います。

 

 

 

鞄修理と雑色商店街

先日鞄の修理をお願いするために大田区雑色のアンパサンド

ampersand-and.com

にお邪魔しました。その前に自分の地元の修理店に見積をしてもらったところ、予算の3倍以上になってしまったのであきらめ、こちらにメールで問合せをしてみたら良心的なお値段とともに、とても丁寧なお返事をいただき感激、電車を乗り継いで雑色まで行ってきました。

京急の駅を降りて雑色商店街を抜けたところにあるこぢんまりとしたシックな店に入ると、靴職人のオーナーが笑顔で迎えてくれました。

WEBサイトを拝見すると、お店は一人で運営されているとのこと、月に2日ほど開け、後は制作や修理作業をされているようです。時折海外からも修理の依頼が入るらしいですが、とびきり腕が良くて誠実に対応してくれる職人さんは、本当に日本の誇りです。忙しくなりすぎで困るかもしれませんが、大々的に海外宣伝したくなってしまいました。

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そして雑色商店街は、下町の懐かしい空気が心地よく染み渡る通りでした。丁度夏祭りの日だったようで商店街の店先にテーブルを出した即席露店が並んでいました。お肉屋さんのスティック付きフランクフルトは1本90円というびっくり地元奉仕価格。皆さんお知り合いのように和やかにお話しながら買い物をしている様子は、昭和の町の良い思い出がよみがえってきて、ちょっとキュっとした気持ちになります。都内に商店街数あれど、こんなに地元の人との距離が近いところはあまりないんじゃないかなぁ。私が訪日客だったら、言葉がわからなくてもいいから、邪魔にならないようにゆっくり歩いて回りたい、日本の日々の暮らしを実感できてワクワクしそうです。

【追記】

お願いしていた修理ができあがってきました。美しい!!素晴らしいです。感激。世界に向かって自慢したい。

*1:画像はアンパサンドさんではありません

意外な訪日観光ポイント「デパート包み」

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日本のデパートで買い物をして「贈り物用に」と頼むと、たいてい店員さんがきれいに包装をしてくれます。
子供のころは、その見事な手さばきと出来上がりの美しさに驚かされたものです。だんだん慣れてしまって気に留めることも少なくなりましたが、実はこの日本のデパートの包装技術が、訪日客から関心を集めているらしいのです。
そもそも、海外(というか少なくとも米国)では、買い物をしてその場でギフト包装をしてくれることはほとんどありません。クリスマスシーズンにはラッピングサービスのコーナーが別途設けられることもあるのですが、結構な時間を待たされる上に、あまり上手にできていないことが時々ありました。今はオンラインで買って自分でラッピングする方が主流かもしれません。

訪日客が撮影してネット上にアップした動画には、数百万以上の閲覧数を集めているものもあり、コメントを見ると関心ポイントは3つくらいありそうです。

1)速さと正確さ
一つを仕上げるのに速い人で15秒くらい、小気味よいリズムで包んでいく様は本当に職人技です。箱に入ったお菓子などは贈り物需要が高いと思いますので、毎日相当数をこなすことでスキルが磨かれるのでしょうね。身体が覚えているであろう感覚が見て取れます。

2)丁寧さ
中には比較的ゆっくりと包んでいくケースもあります。こちらは、包む前の包装紙サイズの確認の仕方、きっちり合うように端を畳んできれいな折線をつけながら進めていく様子が妙に芸術的で、心地良い気分にさせてくれます。「ギフト包装にさえ"Zen"を感じる」、といったコメントがありましたが、それほど大げさでないにしても、日常の小さな作業でもひとつひとつ丁寧に行うことが、何らかの感銘を呼び起こすのでしょうか。

3)包み方の違い
デパート包み(百貨店包み)と呼ばれるらしいこの包み方は、斜めに箱を転がすように包んでいきます。適切なサイズと最初の置き方に気を付けないと、箱の角が露出してしまったり、反対に大きすぎて折り込みが分厚くなってしまったりなかなか難しいのですが、包み終わった後どの面からみても美しいという利点があります。

ちなみ、海外のラッピングは箱の中央に合わせるように並行に包んで、余った両端を折り込む形のものが多く、比較的単純な折り方ですが、端が余り過ぎて無理やり丸め込んでボコボコになったり、テープを沢山使ってしまって綺麗に仕上がらない、などの悩みがあるようです。

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最近は環境への配慮から、過剰な包装は避けられるようになってきました。確かに2重にも3重にも包むようなことは不要ですし包装紙も極力リサイクルが求められると思います。
日本のギフト包装が面白くて豪華だから注目を集めるということではなく、これを通じて、目の前のことを心を込めて一生懸命する姿勢を感じてもらえるといいなと、少し神妙な気持ちになりながら動画を見終えました。

(Japanese Gift Wrapping)

 

SHERLOCK シャーロック Season4 ジンジャーナッツ クッキー

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BBCSHERLOCK Season4 が昨日やっと放映されました。本国はお正月の放送ですから半年も待ったことになります。いろいろ事情はあるとは思いますが、地球の裏側の様子がライブで簡単に見られるこの時代に何でこんなに時間がかかるんでしょうかね...(ファンの愚痴...)

既に多くのレビューにある通り、原作へのリスペクト、良く練られた脚本、捻ったセリフ、ちりばめられた伏線の数々、カメラワークの斬新さ、上質の演技と、これまでのシャーロックと同様に、期待を裏切らないエンターテインメント作品でした。

ところで、冒頭でシャーロックが「I love gingernuts!」と言ってジンジャーナッツクッキーを食べるシーンがあります。日本ではジンジャー系クッキーはあまり見ませんが、欧米では日常食べるメジャーなお菓子の一つで、ginger snap, ginger biscuit などとも呼ばれます。nutsとあるのでナッツ類が入っているのかと思いきや、基本ナッツはなくプレーンな生地です。アメリカでクリスマスに食べるgingerbread men  も同じように生姜パウダーを混ぜたクッキーです。

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ジンジャーブレッドマン

日本で大手の製菓会社がジンジャークッキーを大々的に販売しないのは、なぜでしょうね。生姜を甘くした嗜好品は日本にも昔からあるので、馴染みのない味というわけでもなさそうですが、マーケティングテストで期待できるような結果が出ないのかもしれません。

日本のお菓子は安価できれいで美味しいと訪日客にも大人気ですから、多少アレンジを加えたジンジャー系クッキーもリストに加わるとバラエティが広がって楽しいのでは、などとシャーロックを見ながら思いました。

Waitroseの紅茶 アッサムティーバッグ

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嗜好品としての飲み物はいろいろありますが、日本で身近にあるのは、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒーでしょうか。この4種での国内消費量割合は、2005年ごろのデータをかなり大雑把にまとめると、緑茶とコーヒーがそれぞれ30%ほど、紅茶とウーロン茶が各15%という感じです。ただしウーロン茶については近年出荷量がかなり減っているようです。
個人的にも日常コーヒー5割、緑茶4割、紅茶1割くらいで飲んでいました。紅茶はティーバッグで買うと、どうも味がよくわからず、お高い茶葉をちゃんとした方法で淹れてみたりもしましたが、今一つ良さを実感できず、コーヒーを飲み過ぎたときの消去法的選択肢となりがちでした。
ところが、イギリスでたまたま購入した紅茶のティーバッグにこれまでのイメージを一気に覆されました。Waitroseというスーパーマーケットチェーンに立ち寄りプライベートブランドのアッサムティーバッグを購入、高級スーパーだけど日本で買うよりずっと安いし、「本場」のローカルに飲まれてるものはどんな感じかなと、軽い気持ちでセルフレジで精算しました。家に帰って飲んでみると、その味の濃さと香り、かつしつこくない後味にびっくりしました。ミルクティーは、これぞ癒しのティータイムといった味わいで、いままで飲んできた紅茶は一体何だったんだろうと。アッサムティーは色がすぐに出るので、日本でもよく購入していましたが、香りと味がちゃんと感じられるのはこのWaitroseのものが初めてでした。

紅茶をよくご存じの方からはお叱りを受けそうですし、繊細なダージリンなどと違ってかなり「庶民的」な茶葉なのかと思いますが、思い返してみると、緑茶も玉露などの高級茶ではなく味がしっかり出る煎茶が好きなので、紅茶にも同じような期待をしていたのかもしれません。手軽なティーバッグでわかりやすい美味しさを毎日楽しむようになり、消費量もコーヒー4割、紅茶3割、緑茶3割に変わりました。

残念ながら、Waitroseのアッサムティーは日本からは直接購入できず、個人輸入をしようとするとかなりの金額になってしまいます。同じイギリスブランドで人気のPG tipsという紅茶が、日本での販売網も大きく値段も手ごろで味も近いのでこれで代替していますが、やっぱりWaitroseの方が美味しいような気がします。

(上の写真はお世話になっている方が英国より買ってきてくれた100pcパック。大事に飲んでいます。
これを買うと言う理由でまたイギリスに行ってしまおうかと妄想する日々。)

Netflix版 赤毛のアン 「アンという名の少女 (Anne with an "E")」Season1

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先日配信が始まったばかりのNetflix赤毛のアン「アンという名の少女(Anne with an "E")」。シーズン1の全7話を一気に見てしまいました。

世界中、とりわけ日本でファンの多い「赤毛のアン」はこれまでにも様々な映画やTVシリーズが制作されてきましたが、このバージョンは原作に忠実な部分をキープしながらも大胆な解釈を加えた新しいスクリプトで、かなりのインパクトがあるようです。

 

キャスティング

まず主役Amybeth McNultyの見た目の「アン感」がすごいです。広いおでこに透き通るような青白い肌、顔いっぱいに広がったそばかす。小枝のように細い手足とジンジャーヘア。劇中で周りが心無い言葉で貶すのがなんとなくわかってしまうのですが、あと5年もしたらさぞかし美しい女性に成長するだろうなと思わせる絶妙な容姿です。他映像のアン役は「普通」に可愛く、醜いと虐められるアンとして共感するのがちょっと難しいのです。Amybeth McNultyのアンは、その違和感をきっちり取り除きつつも、将来の華を予見させる可憐さで、視聴者に奇妙な安心感を与えます。そして、もちろん素晴らしい演技力です。妄想弾丸トークの痛々しさがこれほど際立つのも、アンの繊細な心情をちゃんと理解しているからなのかなと思います。

養母となるマリラ Geraldine James も、生来の生真面目さからくる厳しさと、清貧に生きる気品が画面からにじみ出ます。深い皺が刻まれた化粧気のない顔も、当時の生活の現実を思い起こさせる大事な舞台装置となっています。

マリラの兄マシュー R.H. Thomson は、その寡黙さと不器用さを、こと丁寧に演じます。加えてアンへの一途な愛情が原作より一層深く表現されており、アンに与えた影響力と存在感の大きさを再認識させられます。

リアルさの追及

本作の新解釈の一つは、孤児院時代や働き手としての引き取り先に受けた虐待を、アンのフラッシュバックイメージとして明確に描いていることでしょう。この部分が「闇(dark side)」として海外のメディアでも取り上げられていますが、アンの利発ながら、ともするとエキセントリックになりがちな言動の深因として、非常に説得力があると思います。時代背景を考えても、そういう状況があった可能性は高く、アンがひたすら空想を喋り捲るシーンを何の予備知識もなく見ると、かなり「うざい」感じがしますが、その理由が彼女の気質だけではなく、心の奥底に御しがたい苦しみがあるのだということが見えてきます。
赤毛のアン」は児童文学に分類されることが多いようですが、不幸な生い立ちの空想好きの女の子が、周囲のやさしさと努力で幸せを手に入れた成功物語、という単純なストーリーではないと思います。過酷な環境に在った人間がいかに心を取り戻し、真っすぐ自己肯定ができるようになるには、やはり無償の愛情が不可欠なのだということを、奥深い闇との対比として鮮やかに見せてくれる本作は、これまでの赤毛のアンより、リアルで深みのある仕上がりとなっているのではないでしょうか。

マリラとマシューのそれぞれの恋の思い出も印象深いエピソードになっています。普通に家庭を築くチャンスはあったものの、様々な事情と家族に対する義務感で独身を貫かざるを得なかった背景が見えることで、単なる変わり者兄妹としてではなく、要領はあまり良くないけれど、自分を声高に主張することもなく慎み深く生きる二人の価値観がよくわかります。

また、撮影の舞台となるGreen Gablesの家や学校、内装、アンやマリラの服装もとても素敵です。豊富でない資材の中から大切に作られたであろうそれらは、質素で地味でお世辞にも上質とは言えないように思いますが、古びて隙間の空いた木の壁も、重くて不便そうな鉄瓶も人々の生活に欠かせない大事な生活用具なのです。他の映画などではもっと小綺麗なセットが多くて、どうもお芝居という感じが否めません。当時の普段着は擦り切れてくたびれてしまうことが容易に想像がつきますが、他作品では、スタイルだけヴィンテージで生地はどれも新品に見えるので、今回はそのあたりも慎重に検討されたのでしょう。

Prince Edward Islandの風景はため息が出るほど美しいです。でもこれは他作品でも引けを取らないので、この作品特有の強みにはならないかもしれませんね...

ちょっとだけ疑問

正統派の「赤毛のアン」ファンからみるといろいろな意見があるかと思いますが、私はその世界観を心から楽しむことができました。とても素晴らしい作品だと思います。

一つだけ気になった点をあげるとしたら、フェミニズムに関わるセリフが目立ったことでしょうか。もちろん、フェミニズム自体に異論があるわけではありません。当時の女性の理不尽かつ不公平な立場にも言いたいことは沢山あります。

 でも、アンの物語は女性であることの不利が含まれていたとしても、究極にはもっと大きなテーマを扱ったのではないかと思うのです。作者Lucy Maud Montgomeryがどう考えていたのかを正しく理解することはできませんが、フェミニズムにフォーカスが当たり過ぎると、他の大事な要素がぼやけてしまうような気がします。主制作スタッフは全員女性ということもあり、実は最も重要なポイントなのかと思いつつ、もう少し薄めの味付けでも良いかなと勝手な感想を抱きました。

次の配信が楽しみです。


Anne with an E | Clip: "Am I Talking Too Much?" [HD] | Netflix

ラム肉人気上昇中

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羊肉というとまだ、臭みが、、、という印象がある人も多いかもしれません。メニューとしては、香草やスパイスを駆使して匂いを消す凝った調理方法が思い浮かびます。北海道以外特に関東以西では、自宅で調理する機会はあまりなかったのではないでしょうか。

ところが、近頃は美味しくてほとんど匂いの気にならないラム肉が簡単に入手できるようになりました。ニュージーランドからの直送品で冷凍されていないものですが、輸入品を得意とする高級店でなく、よくあるスーパーで、ラムチョップ用やロースがお安く手に入ります。(東京郊外での経験論ですが、他の場所ではどうでしょうか...)

塩コショウだけの味付けでも十分、とても柔らかな肉質で、これまでのイメージを覆す美味しさです。確かにほんのりとにおいを感じますが、この香りこそがラムの美味さの立役者とも言えます。牛肉よりも割安なので、我が家ではかなりの頻度で食卓に上るようになりました。

更に、インバウンド観点での最大の特徴は、宗教的制限が殆どないということです。豚肉はダメだけど羊肉なら食べられるという訪日客はかなりの数になるでしょう。ヨーロッパ料理系メニューに限らず、ひき肉やフライなど、ハンバーグやとんかつ代替メニューとしても合うのではと思います。日本人客にとっても目新しい選択肢となりますし、ラム肉料理のバラエティの幅が広がるといいなと思います。